日常を返せ！

「じゅ、十万円？」

「今、一回映れば十万って言ったよね？　映れば映るほど賞金が貰えるってこと？」

「そうです！　さらに新田様が最後まで生き残った場合、クラス全体に一千万円をお贈りしたいます」

　主催者の言葉に今度はクラスメイトたちが歓声を上げる。

「皆様にはぜひ『保護者』として活躍してほしいのです。ただし、新田様にデスゲームのルールを直接教えることは禁止致します。まあ、悟すような行動程度は問題ありません。『保護者』に参加する方は、こちらのバーコードリーダーを読み込んでアプリに登録してください。そちらで新田様の映像を確認できます。映った場合、そちらのアプリから十万円の電子マネーを贈呈致します」

　主催者がそう告げると、クラスメイトの一人がスマホを向けて読み込んだ。