日常を返せ!
 田山の言葉にわたしは一緒に暮らす約束をしたことを後悔する。

 もしかしたら、使いパシリになるかもしれない。

「そんなことして、単位足りなくなりませんか?」

「その時は何とかするわよ。今は留年より自分の命が大事だし」

 羽間の質問を田山は強い意志を見せて答える。

「田山、おおげさー」

 けらけらと笑う石井を田山が睨むが、石井は全然気にしていない様子だった。

 田山とは正反対にまだ何も買っていない石井が、何にするか考え込んでいると、中川が肩を叩く。

「ルリカは必要ねぇよ、俺が守るんだからな」

「嬉しい、星矢〜♡ わたしを守ってね♡」

 購入したサバイバルナイフを見せる中川に、石井が歓喜の声を上げて抱きつく。

 全員が必要な防犯グッズを買い終えて、ここでお開きとなった。

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