御曹司は離婚予定の契約妻をこの手に堕とす~一途な愛で溶かされました~
後ろ姿でも、弘樹が女性に口づけているのがわかる。
それから彼は、肩にかかった下着のひもに指をかけて腕から抜き取ろうとした。
さすがにこれ以上は見ていられず、意図的に音を立てて扉を目いっぱい開く。
大きく肩を揺らした彼が、こちらを振り返った。
「なっ、瑠衣」
驚きをあらわにした弘樹を、無言で見つめ返す。
「こ、これは、その」
「ちょっと、弘樹ぃ。どうしたのよ」
聞き覚えのある声に、ドクリと心臓が嫌な音を立てた。
彼の脇から顔をのぞかせたのは、つい数時間前まで同じ空間で仕事をしていた三浦恵麻だ。
私と目が合った途端に、彼女の口角が吊り上がる。
「三浦さん?」
「あれぇ? 成瀬さんじゃないですか。弘樹とは、もう別れたんですよね?」
わざとらしい口ぶりは、これが偶然ではないことを物語っているようだ。
彼女は、知られてもいいと思っていたのだろう。もしくは、積極的に私に見せつけたかったのかもしれない。
「ちょっ、恵麻は黙ってろ」
お互いに名前で呼び合っているくらいだ。これが初めての逢瀬ではないのだろう。
それから彼は、肩にかかった下着のひもに指をかけて腕から抜き取ろうとした。
さすがにこれ以上は見ていられず、意図的に音を立てて扉を目いっぱい開く。
大きく肩を揺らした彼が、こちらを振り返った。
「なっ、瑠衣」
驚きをあらわにした弘樹を、無言で見つめ返す。
「こ、これは、その」
「ちょっと、弘樹ぃ。どうしたのよ」
聞き覚えのある声に、ドクリと心臓が嫌な音を立てた。
彼の脇から顔をのぞかせたのは、つい数時間前まで同じ空間で仕事をしていた三浦恵麻だ。
私と目が合った途端に、彼女の口角が吊り上がる。
「三浦さん?」
「あれぇ? 成瀬さんじゃないですか。弘樹とは、もう別れたんですよね?」
わざとらしい口ぶりは、これが偶然ではないことを物語っているようだ。
彼女は、知られてもいいと思っていたのだろう。もしくは、積極的に私に見せつけたかったのかもしれない。
「ちょっ、恵麻は黙ってろ」
お互いに名前で呼び合っているくらいだ。これが初めての逢瀬ではないのだろう。