御曹司は離婚予定の契約妻をこの手に堕とす~一途な愛で溶かされました~
思わぬ人物の登場につい気が逸れてしまったが、弘樹が身じろいだことでハッとした。
「瑠衣はもう、帰れ」
忌々しげに言い放たれる。
「でも、二次会は?」
「俺だけ参加するからいい。お前は体調不良とでも言っておく」
親友のお祝い事に、最後まで参加できないのは心苦しい。
結婚してしまえば、これまで以上に顔を合せるのはままならなくなるだろう。だから、どうしても行きたい。そんな思いを込めて弘樹を見つめ返したが、彼の表情は険しいままだ。
すっかり見慣れてしまった怒り顔の弘樹を見ていると、自分がワガママを言っているような気にさせられる。
私がいては、せっかくの会も空気を悪くしてしまうのだろう。それならば、遠慮した方が正解なのかもしれない。
彼をさらに怒らせたくないのもあり、渋々うなずいた。
すぐさま私に背を向けた弘樹は、さっさと仲間のもとへ戻っていってしまう。あきらめ悪く追いすがるようにその背中を見つめたが、彼は一度も振り返ってはくれなかった。
「瑠衣はもう、帰れ」
忌々しげに言い放たれる。
「でも、二次会は?」
「俺だけ参加するからいい。お前は体調不良とでも言っておく」
親友のお祝い事に、最後まで参加できないのは心苦しい。
結婚してしまえば、これまで以上に顔を合せるのはままならなくなるだろう。だから、どうしても行きたい。そんな思いを込めて弘樹を見つめ返したが、彼の表情は険しいままだ。
すっかり見慣れてしまった怒り顔の弘樹を見ていると、自分がワガママを言っているような気にさせられる。
私がいては、せっかくの会も空気を悪くしてしまうのだろう。それならば、遠慮した方が正解なのかもしれない。
彼をさらに怒らせたくないのもあり、渋々うなずいた。
すぐさま私に背を向けた弘樹は、さっさと仲間のもとへ戻っていってしまう。あきらめ悪く追いすがるようにその背中を見つめたが、彼は一度も振り返ってはくれなかった。