御曹司は離婚予定の契約妻をこの手に堕とす~一途な愛で溶かされました~
「彼女については、聞き取り調査を進めている」

 葵さんの言葉に、考え事から意識が引き戻される。

「私のせいで……」

 もちろん、三浦さんの態度に問題があるのは明らかだ。
 ただ、私が言い出したことで話が不必要に大事になっていたら申し訳ない。

「瑠衣を蔑ろにされるのは許せない。だが、それだけじゃない。話を聞く限り、会社としても彼女を放置できない」

 隣から肩を抱き寄せられて、ドキリとする。

「大丈夫だ。俺が瑠衣を守るから」

 こんなふうにされたら、ますます勘違いしてしまいそうだ。
 けれど今だけは許されているのだからと、彼の温もりに身をまかせた。
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