御曹司は離婚予定の契約妻をこの手に堕とす~一途な愛で溶かされました~
当然の蜜愛
仕事の合間にふと集中が途切れて、机に置いたカレンダーに目を向ける。
渚の結婚から二カ月以上が経過しているが、いろいろとありすぎてあっという間だった。
真夏の頃は過ぎたとはいえ、まだまだ蒸し暑い日々が続いている。今日の私は、クリーム色のワンピースを着用している。冷房対策を兼ねて、それにミントグリーンのカーディガンを合わせてきた。
この服を会社に着てきたのは初めてで、気づいた長谷川さんが「よく似合っている」と手放しで褒めてくれた。
日が経つにつれて、社内での私に対する反応は柔らかさを増している。気軽にとまではいかないかもしれないが、変に気負わずに声をかけられるようになってきた。
「成瀬さん。ついでがあるから、これは俺が一緒にやっておくよ」
今月は内定式が予定されている。それに必要な準備を確認しておこうと総務課を出たところで、田中さんが追いかけてきた。
あれほど敵意を見せていた田中さんから、こんなふうに声をかけられるとは思っていなかった。驚きすぎて、反応がわずかに遅れてしまう。
「……いえ。これは私が」
「成瀬さん、けっこう仕事を抱えてるだろ? たまには周囲を頼ってよ。って、俺が言えた話じゃないが」
気まずそうな顔になる田中さんを、つい凝視してしまう。
「なんか俺、成瀬さんを勘違いしていたみたいで申し訳なかった。君がいろいろと押し付けられていたと気づいて……」
そう言いながら、田中さんは三浦さんが座っている方向をチラリと振り向いた。
渚の結婚から二カ月以上が経過しているが、いろいろとありすぎてあっという間だった。
真夏の頃は過ぎたとはいえ、まだまだ蒸し暑い日々が続いている。今日の私は、クリーム色のワンピースを着用している。冷房対策を兼ねて、それにミントグリーンのカーディガンを合わせてきた。
この服を会社に着てきたのは初めてで、気づいた長谷川さんが「よく似合っている」と手放しで褒めてくれた。
日が経つにつれて、社内での私に対する反応は柔らかさを増している。気軽にとまではいかないかもしれないが、変に気負わずに声をかけられるようになってきた。
「成瀬さん。ついでがあるから、これは俺が一緒にやっておくよ」
今月は内定式が予定されている。それに必要な準備を確認しておこうと総務課を出たところで、田中さんが追いかけてきた。
あれほど敵意を見せていた田中さんから、こんなふうに声をかけられるとは思っていなかった。驚きすぎて、反応がわずかに遅れてしまう。
「……いえ。これは私が」
「成瀬さん、けっこう仕事を抱えてるだろ? たまには周囲を頼ってよ。って、俺が言えた話じゃないが」
気まずそうな顔になる田中さんを、つい凝視してしまう。
「なんか俺、成瀬さんを勘違いしていたみたいで申し訳なかった。君がいろいろと押し付けられていたと気づいて……」
そう言いながら、田中さんは三浦さんが座っている方向をチラリと振り向いた。