トライアングル・ワン
「あの」と、後ろから男子の声が聞こえ我に返った。
イトウくんが不思議そうな顔で私を見ていた。
「あ、ごめん」と言って教室へ入って脇によけると、イトウくんは隣を通り過ぎて行った。
談笑する美香と麻衣子を見ながら自分の席までゆっくり歩き椅子を引いて座った。
「起立!」という男子の声が上がり、椅子が引きずられる音の中、重い体を持ち上げた。
「礼!」と、女子の声があがり、「おはようございます」と、みんなの声が聞こえた。
また、椅子が引きずられる音がし、寄りかかるように椅子に腰を下ろした。
先生が口をパクパク動かしているが、話が頭の中に入ってこない。
昨日までの事を思い起こす。
いつもの様に一緒に登校して、休み時間におしゃべりして、お昼にお弁当一緒に食べて、一緒に学校を出て、夕方まで街をブラブラして、途中まで一緒に帰って、家に着いた。
恋話。他の話の内容を思い出そうとしても出てこない。
一限が終って美香の方を向くと、麻衣子がやってくるのが見えた。
今朝のように談笑し始めた。
いつもなら授業が終ると同時に目が合って、どちらかの席に行っておしゃべりするのに。
イトウくんが不思議そうな顔で私を見ていた。
「あ、ごめん」と言って教室へ入って脇によけると、イトウくんは隣を通り過ぎて行った。
談笑する美香と麻衣子を見ながら自分の席までゆっくり歩き椅子を引いて座った。
「起立!」という男子の声が上がり、椅子が引きずられる音の中、重い体を持ち上げた。
「礼!」と、女子の声があがり、「おはようございます」と、みんなの声が聞こえた。
また、椅子が引きずられる音がし、寄りかかるように椅子に腰を下ろした。
先生が口をパクパク動かしているが、話が頭の中に入ってこない。
昨日までの事を思い起こす。
いつもの様に一緒に登校して、休み時間におしゃべりして、お昼にお弁当一緒に食べて、一緒に学校を出て、夕方まで街をブラブラして、途中まで一緒に帰って、家に着いた。
恋話。他の話の内容を思い出そうとしても出てこない。
一限が終って美香の方を向くと、麻衣子がやってくるのが見えた。
今朝のように談笑し始めた。
いつもなら授業が終ると同時に目が合って、どちらかの席に行っておしゃべりするのに。