トライアングル・ワン
机から顔を上げてあたりを見回すと、クラスの人たちがおしゃべりしている。
なぜか顔がぼやけていて見えない。
教室の雰囲気もいつもと違う様に感じる。
椅子から立ち上がり、女子グループらしき集団に近づいていくと離れていって消えた。
別のグループに近づいてみたが、彼女達も消えた。
教室に点在している他の女生徒達がわたしの方をじっと見ている。
怖くなって教室を飛び出した。
誰の声もしない、窓から差す光が反射した廊下を走った。
誰も相手にしてくれないなら一人で居た方がいい。そう思って過ごしていた屋上へ。
色落ちした茶色の鉄の扉を開くと青空が広がっていた。
視界の先に見える緑色のフェンスへ向かって歩いて行くと、小さな住宅街と薄い深緑のなだらかな山が見えた。
さらに近づいていくと、眼下に色の抜けたオレンジや青の屋根が散らばっているのが見えてきた。
フェンスを両手で鷲掴みにすると、金属の冷たさが伝わってくる。
掴んだ緑のフェンスが音も無く口を広げた。丁度通り抜けられるくらいの大きさに。
なぜか顔がぼやけていて見えない。
教室の雰囲気もいつもと違う様に感じる。
椅子から立ち上がり、女子グループらしき集団に近づいていくと離れていって消えた。
別のグループに近づいてみたが、彼女達も消えた。
教室に点在している他の女生徒達がわたしの方をじっと見ている。
怖くなって教室を飛び出した。
誰の声もしない、窓から差す光が反射した廊下を走った。
誰も相手にしてくれないなら一人で居た方がいい。そう思って過ごしていた屋上へ。
色落ちした茶色の鉄の扉を開くと青空が広がっていた。
視界の先に見える緑色のフェンスへ向かって歩いて行くと、小さな住宅街と薄い深緑のなだらかな山が見えた。
さらに近づいていくと、眼下に色の抜けたオレンジや青の屋根が散らばっているのが見えてきた。
フェンスを両手で鷲掴みにすると、金属の冷たさが伝わってくる。
掴んだ緑のフェンスが音も無く口を広げた。丁度通り抜けられるくらいの大きさに。