星のような僕らは
思い出をたどって
その言葉の意味に、私は、また、驚いた。
「とりあえず、中に入ろう。話は、それからだ」
私達は、小屋の中に入った。
小屋の中は、古い小さな机があったり、棚の中にビー玉や漫画、けん玉や小物入れと、色んな物が飾られていた。壁には、梯がかかっている。
「あの時と全然、変わってないな」
「そうなんだ」
やっぱり、懐かしい感じがする。
すると、蒼也が何かを探し始める。
「何、探してるの?」
「ん?楽器」
辺りをよく見ると、大きな箱があった。
「蒼也」
「何?」
「あそこに箱があるんだけど、見覚え、ある?」
「どこ?」
私が箱の前に立つ。
「ここだよ」
「見覚えは、無いけど、それかもしれない」
蒼也が箱の前に屈んで、箱を開けた。
「あった」
箱の中には、三つ、楽器ケースが出てきた。
持つと重いから、ちゃんと、中身が入ってるのが分かる。
「来なくなる前に、兄さんがしまったんだな」
「明斗さんが?」
「ああ。俺と兄さんも梨歌が引っ越して、少し経った頃から、秘密基地に来なくなったから。とりあえず、まだ、鳴るかというか、あのままであるか、心配だけど、開けてみるしかないな」
蒼也が楽器ケースを開ける。
オレンジ色のギターが入っていた。
少し埃が被っているが、使うのには、問題なさそうだ。
「兄さんのギターだ」
「綺麗な色だね」
「あの頃、俺達、音楽教室、通ってて、そこの先生が最後に教えてくれてたのが、俺達、三人だった。一人、一つ、楽器を先生からプレゼントされてたんだ」
「今、先生は、どうしてるの?」
「定年で、この街から、引っ越して、自然がたくさんある町で元気でやってる。たまに、葉書が来るんだ」
「そっか。また、会ってみたかったな」
「ああ。俺も会いたい」
気づいたら、音楽、初めてたと思ったけど、私も音楽教室、通ってたんだ。
「さてと、残りも開けるか」
「私、こっち、開けても良い?」
「ああ」
私は、まだ、開けていないケースを開けた。
「わあ」
こっちも少しだけ、埃を被っていた。
だけど、それよりも私は、ギターに見惚れていた。
淡く、澄んだ水色のギターだった。
「綺麗だろ。梨歌のギターは、先生がずっと、使っていたお下がりだったけど、先生が一番大切に使っていたギターだからな。手入れは、しっかり、されてるぜ」
「これが私のギター」
「俺のは、これだ」
蒼也が見せてくれたのは、深い紺色のベースだった。
「蒼也は、ベースなんだ」
「俺も最初は、ギターが好きだったんだけど、梨歌と音楽やるうちに、ベースで支えたいと思うようになって、変えた」
「だから、ギターも弾けるんだ」
「ああ。そもそも、音楽教室に通うようになったのも、梨歌がきっかけだからな」
「私?」
「五歳の時、ここに集まって、歌を歌って、遊んでたんだ。その時、梨歌が楽器も弾けたら、すごいなって、話したのがきっかけ」
「それじゃあ、明斗さんも」
「ああ。俺と梨歌と一緒だ」
「嬉しい」
「それなら、話して良かった」
蒼也が笑った。
「えっ」
私が驚いていると蒼也は、ベースを出して、構える。
「嬉しいなら、良かった。何度も言わせるな。ほら、ギター、持てよ」
「うん。ありがとう」
蒼也は、そっぽ向く。照れてる。
私もギターを出して、軽く、調整する。
「自然と手に馴染んでる。いい感じ」
「だろ」
そう言って、弾き始めたのは、この前、完成させた、あの曲だった。
私も音を重ねていく。
そして、二人だけの時間が流れていく。
「とりあえず、中に入ろう。話は、それからだ」
私達は、小屋の中に入った。
小屋の中は、古い小さな机があったり、棚の中にビー玉や漫画、けん玉や小物入れと、色んな物が飾られていた。壁には、梯がかかっている。
「あの時と全然、変わってないな」
「そうなんだ」
やっぱり、懐かしい感じがする。
すると、蒼也が何かを探し始める。
「何、探してるの?」
「ん?楽器」
辺りをよく見ると、大きな箱があった。
「蒼也」
「何?」
「あそこに箱があるんだけど、見覚え、ある?」
「どこ?」
私が箱の前に立つ。
「ここだよ」
「見覚えは、無いけど、それかもしれない」
蒼也が箱の前に屈んで、箱を開けた。
「あった」
箱の中には、三つ、楽器ケースが出てきた。
持つと重いから、ちゃんと、中身が入ってるのが分かる。
「来なくなる前に、兄さんがしまったんだな」
「明斗さんが?」
「ああ。俺と兄さんも梨歌が引っ越して、少し経った頃から、秘密基地に来なくなったから。とりあえず、まだ、鳴るかというか、あのままであるか、心配だけど、開けてみるしかないな」
蒼也が楽器ケースを開ける。
オレンジ色のギターが入っていた。
少し埃が被っているが、使うのには、問題なさそうだ。
「兄さんのギターだ」
「綺麗な色だね」
「あの頃、俺達、音楽教室、通ってて、そこの先生が最後に教えてくれてたのが、俺達、三人だった。一人、一つ、楽器を先生からプレゼントされてたんだ」
「今、先生は、どうしてるの?」
「定年で、この街から、引っ越して、自然がたくさんある町で元気でやってる。たまに、葉書が来るんだ」
「そっか。また、会ってみたかったな」
「ああ。俺も会いたい」
気づいたら、音楽、初めてたと思ったけど、私も音楽教室、通ってたんだ。
「さてと、残りも開けるか」
「私、こっち、開けても良い?」
「ああ」
私は、まだ、開けていないケースを開けた。
「わあ」
こっちも少しだけ、埃を被っていた。
だけど、それよりも私は、ギターに見惚れていた。
淡く、澄んだ水色のギターだった。
「綺麗だろ。梨歌のギターは、先生がずっと、使っていたお下がりだったけど、先生が一番大切に使っていたギターだからな。手入れは、しっかり、されてるぜ」
「これが私のギター」
「俺のは、これだ」
蒼也が見せてくれたのは、深い紺色のベースだった。
「蒼也は、ベースなんだ」
「俺も最初は、ギターが好きだったんだけど、梨歌と音楽やるうちに、ベースで支えたいと思うようになって、変えた」
「だから、ギターも弾けるんだ」
「ああ。そもそも、音楽教室に通うようになったのも、梨歌がきっかけだからな」
「私?」
「五歳の時、ここに集まって、歌を歌って、遊んでたんだ。その時、梨歌が楽器も弾けたら、すごいなって、話したのがきっかけ」
「それじゃあ、明斗さんも」
「ああ。俺と梨歌と一緒だ」
「嬉しい」
「それなら、話して良かった」
蒼也が笑った。
「えっ」
私が驚いていると蒼也は、ベースを出して、構える。
「嬉しいなら、良かった。何度も言わせるな。ほら、ギター、持てよ」
「うん。ありがとう」
蒼也は、そっぽ向く。照れてる。
私もギターを出して、軽く、調整する。
「自然と手に馴染んでる。いい感じ」
「だろ」
そう言って、弾き始めたのは、この前、完成させた、あの曲だった。
私も音を重ねていく。
そして、二人だけの時間が流れていく。