星のような僕らは

夕暮れの流れ星

曲を弾き終わると、二人で思い出話に浸った。
「えっ、そうなの？」
「ああ」
「どうなったの？」
「そのまま、兄さんが」
話に夢中になって、気づけば、夕方になっていた。
夕焼けが空を茜色に染めて、紺色の夜空も見え始めていた。
「もう、こんな時間か」
「帰らないとだね」
楽器を持って、秘密基地を出た。
「また、来たいな」
「そうだな」
神社まで、戻って来た時、なんとなく、空を見た。
すると、一瞬、空を光の線が横切った。
「蒼也、流れ星！」
「どこだ？」
蒼也が空を見上げた時、また、流れ星が二、三度、流れた。
「あそこ！」
「本当だ」
この時期、珍しいな。
でも。
「綺麗だね」
「ああ」
もう少し、見ていたいけど、家に帰らないといけなかった。
「そろそろ、行くか」
「うん」
歩いている時、何度か、空を見上げると、また、流れ星が流れていて、その度に、ほんの少しだけ、立ち止まって、夜空を見ながら、帰った。
「送ってくれて、ありがとう」
「ああ。明日も練習だから、ちゃんと、休めよ」
「うん」
「またな」
「またね」
明日の夕方もまた、一緒に観れたら良いな。