星のような僕らは

幼馴染の同級生

どうしよう。今、蒼也と一緒に行こうって、話したばかりなのに。
そう思っていたら、蒼也が言った。
「じゃあ、三人(・・)で、一緒に行くか?」
「えっ」
驚いてる私を挟んで、二人は、向かい合う。
「そうだね。三人(・・)でも、良いかな」
うぅっ、何か、触れたら、いけないものに触れてる気がする。
「佐々波君が良いなら、三人で行こうか」
とりあえず、その場は、落ち着いて、三人で、移動教室を行ったり、来たりしていた。
そして、昼休みになって、再び、修羅場がやってきた。
「梨歌、昼、食べに行こうぜ」
「うん」
「藍空さん、お昼、一緒に食べよ」
蒼也と話していると気づけば、佐々波君が隣に居て、こうやって、私を連れていこうとする。
「私は、」
「梨歌は、俺と一緒に来るんだ。邪魔するな」
「蒼也」
「そっちこそ、転校初日のクラスメイトに酷いんじゃない?」
「転校生に特権は、無いんだよ。昼ぐらい、自由にさせろよ」
「さっき、先生に、食堂があるって聞いたから、案内して欲しいな。藍空さん」
「えっと」
出来れば、蒼也の隣に居たい。でも、
「お願いできる?」
「うん」
私にやれる事は、やるって、言ったんだ。行かないと。
「ごめん、蒼也。すぐ、戻るから」
「じゃあ、俺も行く」
「蒼也」
「連れてかれたら、昼が終わるまで、付き合わされるだけだ」
「それは、人聞きが悪いんじゃない?」
「おい、翼、いい加減にしろ」
「もう、やめちゃうの?他人のふり」
「俺にちょっかい出したいなら、出せばいい。だけど、梨歌には、手、出すな」
「そうか、やっぱり、その子なんだね。蒼也」
「分かってるなら、尚更だ」
蒼也は、私の手を取る。
「ちょっと、蒼也?!ここ、教室!」
「そんなの関係無い。翼、転校生やりたかったら、他のやつに付き合ってもらえよ」
「そうだね。じゃあ、やり方を変える」
えっ、どういう事?
佐々波君が私に視線を移す。
「覚悟しててね。藍空さん」
「絶対、俺が守る。梨歌に、手は出させないからな。行くぞ」
私は、蒼也に、手を引かれて、教室を出た。
「ここにするか」
人がいない教室を見つけると、二人で、中に入った。
「悪い。翼は、梨歌が引っ越して、すぐに入れ違いで転校してきてから、三年間、一緒だったんだ。中学卒業してから、会ってなかったんだけどな」
「そうだったんだ」
「アイツの事は、気にするなよ。俺に、ちょっかい、かけたいだけだからな。付き合ってたら、面倒な事にしか、ならない」
「分かった」
「後、出来るだけ、俺の側に居ろよ」
「うん。ありがとう」
蒼也のもう一人の幼馴染か。
さっき、佐々波君と話している時の蒼也は、私の知らない蒼也だった。知らない蒼也が居て、なんとなく、寂しかった。
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