ハルとミモザ
ハルとミモザ
ーー2024年4月1日。
この日は教職員会議が行われるため、全部活動休みで生徒の登校は禁止とされている。
けれど私、伊豆野羽留(いずのはる)は大好きな人に会うため校舎の中へ侵入した。
時刻は午前11時。
先生が会議中なのは把握済みなので、隠れもせず堂々と侵入し3階の美術室へと足を運ぶ。
勿論私以外誰もいないので私の上履きの音だけが廊下に鈍く響いている。
美術室に着き、扉をそっと開ける。
いつもの油絵の具の香りが漂う。
私はこの匂いが好きだ。
大好きな、桜井慎(さくらいしん)先生と同じ香りがするからだ。
「さてと、描きますか」
イーゼルを立てて持参したスケッチブックを広げた。
筆箱から2B鉛筆を取り出し右手を走らせる。
この日は教職員会議が行われるため、全部活動休みで生徒の登校は禁止とされている。
けれど私、伊豆野羽留(いずのはる)は大好きな人に会うため校舎の中へ侵入した。
時刻は午前11時。
先生が会議中なのは把握済みなので、隠れもせず堂々と侵入し3階の美術室へと足を運ぶ。
勿論私以外誰もいないので私の上履きの音だけが廊下に鈍く響いている。
美術室に着き、扉をそっと開ける。
いつもの油絵の具の香りが漂う。
私はこの匂いが好きだ。
大好きな、桜井慎(さくらいしん)先生と同じ香りがするからだ。
「さてと、描きますか」
イーゼルを立てて持参したスケッチブックを広げた。
筆箱から2B鉛筆を取り出し右手を走らせる。