私を処刑したら、困るのは殿下ですが……本当によろしいのですか?【コミカライズ進行中】
「だが、室長はお前の共犯者だ。信じるわけにはいかない。実際にここにいる2人に聞いたが、お前の作っている薬がなんなのか知らないと言っているぞ!」
王子が少し後ろに立つ新人薬剤師2人をバッと指差した。
2人は困ったような怯えたような様子で、ソフィアと目を合わさずにモジモジと手を動かしている。
「そちらのおふたりは入ってきたばかりの新人でございます。アーサー殿下のお薬については、極秘事項として数人の薬剤師しか知らないのです」
「またそんな作り話を!! ……まぁ、いい。お前が今回認めないというのなら、まずはこれを壊してやろう」
そう言うなり、王子は新人薬剤師の持っていたソフィアの小鍋を乱暴に持ち上げた。
「まぁ! 殿下、それはいけません。殿下のお薬は、なぜかそ小鍋と私の魔力を合わせなければ作れない特殊なものなのです! それを壊されてしまっては、もう2度とあのお薬を作ることが……」
めずらしく動揺したソフィアを見れて満足したのだろうか。
王子は嬉しそうに高笑いをした。