私を処刑したら、困るのは殿下ですが……本当によろしいのですか?【コミカライズ進行中】

「はははっ! これはよほど大事な物らしいな。舐めた態度を取った罰だ!」


 ガシャン!!

 王子はその小鍋を床に叩きつけて割ると、さらに靴で踏み潰して粉々にさせている。

 どう見ても修復不可能な状態を見て、ソフィアは小さなため息をついた。


(ああ……壊れてしまったわ。これでは、たとえ私がこの牢から出られたとしても、もう2度と殿下の薬を作ることはできないわね。陛下はさぞガッカリされることでしょう……)


「これで少しは反省したか!? 次に来るときまでには、謝罪の言葉を考えておくんだな! まぁ謝罪をしたからと、俺が許すとは限らないがな!」


 ははは……! と高笑いをしたまま、王子は地下牢から出て行った。
 新人薬剤師たちもすぐにその後を追い、その場にはソフィアとテオドール卿だけが残る。
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