私を処刑したら、困るのは殿下ですが……本当によろしいのですか?【コミカライズ進行中】
ソフィアの心の声が届いたのかもしれない。
テオドール卿は、グッと一度唇を噛みしめたあとにまっすぐソフィアを見つめた。
どこか熱を帯びたその真剣な瞳に見つめられて、ソフィアは自分の体温が上昇したような気がした。
「あなたに会うために、嘘をついていました」
「……私に会うため?」
「はい。怪我や病気でなければ救護室には行けませんので」
「それは……そうですね」
この時点で、ソフィアの頭の中には1つの疑問と小さな自惚れが浮かんでいた。
しかし、それを簡単に口に出せるほどソフィアは自分に自信があるわけではない。
(もしかして、テオドール卿は私のことを……? なんて、聞けるわけないわ)
そんなことを考えた自分が恥ずかしくなり、ソフィアはテオドール卿から目をそらして下を向いた。
先ほどより熱くなった顔と体のせいか、心が落ち着かない。