私を処刑したら、困るのは殿下ですが……本当によろしいのですか?【コミカライズ進行中】
檻の格子を掴んだテオドール卿は、少しだけソフィアとの距離を縮めた。
「あなたを処刑になんてさせません。絶対に。もし、そんな理由でこの檻を開ける日が来たら、国に逆らってでも自分があなたを助けます」
「テオドール卿……」
この国のために日々鍛えている騎士が、自分を救うためなら国を裏切るとまで言ってくれている。
そんな危険はことはしないで、と思う気持ちの中に、嬉しい気持ちが混ざっていることにソフィアは気づいた。
(私のためにここまで言ってくれる方なんて……他にいないんじゃないかしら)
なぜか泣きそうになる気持ちを抑え、ソフィアはテオドール卿に笑いかけた。
「その必要はありません。いくら王子といえ、陛下の許可なしに私を処刑できないはずです。それに、早くて明日……遅くても2日後には、あの薬湯が毒ではなかったことがハッキリするでしょう」
「……本当に?」