私を処刑したら、困るのは殿下ですが……本当によろしいのですか?【コミカライズ進行中】

「ええ。今、王宮の研究室では床に溢れた薬湯をすくって調べていると思います。きっと毒とも薬とも判別できないはずです」

「それではあなたの嫌疑は晴れないのでは?」

「大丈夫です。アーサー殿下の病が発症すれば、その薬の効果を見ることができるでしょう。あの薬は強力なので、たったひと舐めするだけでも効果は出ます。……もちろん、それだけでは全然足りませんが」


 視線を下に向けたソフィアを見て、テオドール卿はそれ以上何も言わなかった。

 これから先起こるであろうアーサー王子の行く末を、なんとなく察したのかもしれない。



 そして、その日はやってきた。

 王子直属の執事や騎士が真っ青な顔でソフィアのもとに来たことで、ソフィアは王子の病が発症したのだとわかった。

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