私を処刑したら、困るのは殿下ですが……本当によろしいのですか?【コミカライズ進行中】
5 王子の病、発症
「ソ、ソ、ソフィア様!! ア、アアアアーサー殿下がっ」
何も説明できない執事たちに連れられて、ソフィアは王子の部屋を訪れた。
ベッドの上には毛布を被って呻き声をあげているアーサー王子が。
その近くには、呆然とその様子を見ているエイリーンの姿があった。
「アーサー殿下! ソフィア宮廷薬剤師を連れて参りました!」
その声に反応して、アーサー王子が毛布をバッと床に落とし、その姿を見せた。
顔や腕などの肌にはボコボコとした緑色の大きな吹き出物ができていて、このベッドの上にいなければアーサー王子だと判別できないほどになっている。
(まあ。毎日薬を飲んでいても、少しも改善はしていなかったのね)
その姿を見ても動揺していないソフィアに向かって、王子が怒鳴りつける。
「おい!! これはなんだ!? なんでこんなことに!?」
「そちらがアーサー殿下の病でございます。3年前、視察から帰国したのちに発症した皮膚病です」
「皮膚病だって!? 俺はそんなの知らないぞ!?」
「はい。ご自分の姿にショックを受けた殿下は、薬が開発されて元の姿に戻ったあと、その記憶をなくしてしまったのです」
「な……!?」