私を処刑したら、困るのは殿下ですが……本当によろしいのですか?【コミカライズ進行中】
(お使いを頼んでしまってごめんなさい、テオドール卿)
心の中で謝罪をして、ソフィアはその小瓶を受け取った。
部屋にいる全員の視線が、緑色の液体が入った小瓶に集中する。
「これは、私が作った薬湯でございます。もう残りはこれしかありませんが、飲んでみてください。少しは今のお肌が改善されるでしょう」
「何……っ!?」
アーサー王子の近くに行きその小瓶を差し出すと、王子は疑わしそうな目をしながらもそれを受け取った。
肌が改善されるという言葉に、心が揺れたのだろう。
王子は小瓶の蓋を取り、少量の薬をペロッと舐めた。
「!!」
シューーッという音と共に、頬にできていた大きな吹き出物が消える。
吹き出物のせいで歪んでいた目が、元の綺麗な形に戻った。
……反対の目はまだ歪んだままだけど。
「おおっ!!」
「本当に治った!!」
「あれは毒ではなく、本当に薬だったのか!」
周りにいる使用人からそんな声が上がる中、エイリーンがガシッとソフィアの服を掴んだ。