私を処刑したら、困るのは殿下ですが……本当によろしいのですか?【コミカライズ進行中】
残されたエイリーンも使用人たちも、言葉と正気を失ってただただ黙っていた。
(もう戻ってもいいかしら? 毒の誤解は解けたのだから、救護室に行ってもいいのよね?)
静かにお辞儀をしたソフィアは、そのまま足早に部屋から出ていく。
テオドール卿もそんなソフィアの後に続いて部屋から出た。
「まさかアーサー殿下の病が皮膚病だったとは。とにかく、あなたの誤解が解けてよかったです。冤罪で牢屋に入れられたことに対する訴えはされるのですか?」
「いいえ。ほんの数日ですもの」
「……本当にあなたはお人好しですね」
クスッと笑ったテオドール卿が、少し気まずそうにソフィアから視線を外す。