あやかし王は溺愛する花嫁に離縁を言い渡される
「元気な子たちね」
茶々を撫でながら、子猫たちを見つめる。一挙手一投足が可愛らしくて見ているだけで癒される。
「粉乳や食べ物をあげたいけれど、今は屋敷に戻れないの。私の夕飯を持ってきてあげるからね」
(夕飯までに戻れるといいけれど)
いつ大巫女様はお帰りになるのだろうと、恨めしい目線を黒塗りの三輪自動車に投げる。
琴禰の側で寛ぐ茶々を撫でながら、子猫たちの遊びを愛でていると、あっという間に日が暮れてきた。
屋敷の軒先に松明の明かりが灯される。
玄関が騒がしくなり、大巫女様がお帰りになるようだ。これでようやく屋敷に戻れると安堵したのも束の間、子猫が黒塗りの自動車の下にするりと入り込んでいったのが見えた。
(いつの間にあんなところに!)
真っ青になって慌てて裏山を駆け下りる。大巫女様に見つかってはいけないけれど、このまま自動車が発車したら子猫が轢かれてしまう。
玄関からは大巫女様とその介添えの方が出てきた。
介添えの方は、女官のように厳格な雰囲気で、口を一文字に結び、献身的に大巫女様の付き添いをしている。
茶々はいつの間にか屋敷の前にいて、玄関から出てきた大巫女様と介添えの方に背中を逆立ててシャーと威嚇した。
(茶々!)
茶々を撫でながら、子猫たちを見つめる。一挙手一投足が可愛らしくて見ているだけで癒される。
「粉乳や食べ物をあげたいけれど、今は屋敷に戻れないの。私の夕飯を持ってきてあげるからね」
(夕飯までに戻れるといいけれど)
いつ大巫女様はお帰りになるのだろうと、恨めしい目線を黒塗りの三輪自動車に投げる。
琴禰の側で寛ぐ茶々を撫でながら、子猫たちの遊びを愛でていると、あっという間に日が暮れてきた。
屋敷の軒先に松明の明かりが灯される。
玄関が騒がしくなり、大巫女様がお帰りになるようだ。これでようやく屋敷に戻れると安堵したのも束の間、子猫が黒塗りの自動車の下にするりと入り込んでいったのが見えた。
(いつの間にあんなところに!)
真っ青になって慌てて裏山を駆け下りる。大巫女様に見つかってはいけないけれど、このまま自動車が発車したら子猫が轢かれてしまう。
玄関からは大巫女様とその介添えの方が出てきた。
介添えの方は、女官のように厳格な雰囲気で、口を一文字に結び、献身的に大巫女様の付き添いをしている。
茶々はいつの間にか屋敷の前にいて、玄関から出てきた大巫女様と介添えの方に背中を逆立ててシャーと威嚇した。
(茶々!)