あやかし王は溺愛する花嫁に離縁を言い渡される
(かといって本当のことは言えないし)
煉魁は澄八に嫉妬している。
そんな中、『こんな文が渡された』と言ったら、激怒するに決まっている。もちろん、会うことは禁止されるだろうし、警備も強化されるだろう。
(でも、私に会わないという選択肢はない)
血の契約を交わしている以上、澄八の機嫌を損ねることは避けたい。
琴禰は血の契約を完全に理解しているわけではなかった。決して破られぬ誓いで、契約に反したら強制的に力が発動するということしか知らない。
つまり、契約違反に気づかれたら終わりだということだ。
でも、例え強制的に力を発動させても、琴禰の力では煉魁を倒すことはできない。それが分かっているから澄八も強制的に発動はしてこないのだろう。
勝機があるとすれば、煉魁が寝入ったところに不意打ちで心臓を一刺しにする。それくらいしか勝つ方法はない。
そして、その方法ができるのは妻である琴禰だけだ。
(裏切りを決して気付かれてはいけない。そのためには、この誘いを何がなんでも叶えなくてはいけない)
煉魁は澄八に嫉妬している。
そんな中、『こんな文が渡された』と言ったら、激怒するに決まっている。もちろん、会うことは禁止されるだろうし、警備も強化されるだろう。
(でも、私に会わないという選択肢はない)
血の契約を交わしている以上、澄八の機嫌を損ねることは避けたい。
琴禰は血の契約を完全に理解しているわけではなかった。決して破られぬ誓いで、契約に反したら強制的に力が発動するということしか知らない。
つまり、契約違反に気づかれたら終わりだということだ。
でも、例え強制的に力を発動させても、琴禰の力では煉魁を倒すことはできない。それが分かっているから澄八も強制的に発動はしてこないのだろう。
勝機があるとすれば、煉魁が寝入ったところに不意打ちで心臓を一刺しにする。それくらいしか勝つ方法はない。
そして、その方法ができるのは妻である琴禰だけだ。
(裏切りを決して気付かれてはいけない。そのためには、この誘いを何がなんでも叶えなくてはいけない)