あやかし王は溺愛する花嫁に離縁を言い渡される
その時、琴禰の心に怒りの火が点じるのを感じた。
両親に対して、これほど大きな憤りをおぼえたことは初めてだった。あまりの理不尽さに悲しみを通り越して、胸の奥から抑えきれないほどの怒りが燃え上がる。
茶々は地面に横たわったまま動かない。
邪魔な猫がいなくなった大巫女様と介添えの方は自動車に乗り込んだ。
(発車しては駄目! 車の下には子猫が!)
気持ちは焦るも体が動かない。エンジンをかける音が聞こえて、琴禰の中でプツリと何かが弾けた。
黒塗りの自動車が宙に上がる。
あまりに不思議な光景に、両親は口を開けて呆気に取られていた。
しかしながら自動車の中にいた人達は当事者なのでそうもいかない。身の危険を感じ、ドアを開けようとするが動かず、必死の形相で窓をどんどんと叩いた。
澄八と桃子が自動車に駆け寄り、祓魔の術を使って自動車を降ろそうとするが、まったく下がる気配がない。
両親に対して、これほど大きな憤りをおぼえたことは初めてだった。あまりの理不尽さに悲しみを通り越して、胸の奥から抑えきれないほどの怒りが燃え上がる。
茶々は地面に横たわったまま動かない。
邪魔な猫がいなくなった大巫女様と介添えの方は自動車に乗り込んだ。
(発車しては駄目! 車の下には子猫が!)
気持ちは焦るも体が動かない。エンジンをかける音が聞こえて、琴禰の中でプツリと何かが弾けた。
黒塗りの自動車が宙に上がる。
あまりに不思議な光景に、両親は口を開けて呆気に取られていた。
しかしながら自動車の中にいた人達は当事者なのでそうもいかない。身の危険を感じ、ドアを開けようとするが動かず、必死の形相で窓をどんどんと叩いた。
澄八と桃子が自動車に駆け寄り、祓魔の術を使って自動車を降ろそうとするが、まったく下がる気配がない。