あやかし王は溺愛する花嫁に離縁を言い渡される
そもそも、薄くて軽い紙程度であれば祓魔の力で持ち上げることも可能だが、自動車のような重い物体を持ち上げることなんて祓魔師が何人かかっても不可能なことなのだ。
自動車の下にいた子猫は、隠れる場所を失って慌てて草むらに逃げていった。
地面に横たわっていた茶々も、無事に子猫が逃げ出したことがわかると、立ち上がって草むらに追いかけていった。
(良かった、生きていた……)
琴禰は安堵して、人の高さまで持ち上がった自動車をゆっくりと降ろしていった。衝撃を与えないように地面に降ろすと、ほっとして力が抜けた。
狐につままれたような顔で、大巫女様と介添えの方、そして運転手が車のドアを開け、へなへなと崩れるように脱出した。
皆が大巫女様の元に駆け寄り無事を確認するも、当の大巫女様だけが緊迫の表情を崩さなかった。
「禍々しい強大な力じゃ……恐ろしい呪われた力じゃ……」
自動車の下にいた子猫は、隠れる場所を失って慌てて草むらに逃げていった。
地面に横たわっていた茶々も、無事に子猫が逃げ出したことがわかると、立ち上がって草むらに追いかけていった。
(良かった、生きていた……)
琴禰は安堵して、人の高さまで持ち上がった自動車をゆっくりと降ろしていった。衝撃を与えないように地面に降ろすと、ほっとして力が抜けた。
狐につままれたような顔で、大巫女様と介添えの方、そして運転手が車のドアを開け、へなへなと崩れるように脱出した。
皆が大巫女様の元に駆け寄り無事を確認するも、当の大巫女様だけが緊迫の表情を崩さなかった。
「禍々しい強大な力じゃ……恐ろしい呪われた力じゃ……」