あやかし王は溺愛する花嫁に離縁を言い渡される
(琴禰を傷つけたのだ。それくらいの苦労はしてもらわないといけない)
そして、暴風で吹き飛ばされたのか、遠くの方で横たわっていた大巫女と付き人、そして祓魔四人衆も起き上がった。
その姿を見て、琴禰は青くなって煉魁の裾を握りしめた。
こんな惨状にした原因の琴禰に彼らが何と言うのか。琴禰は怯えているようだった。
しかしながら、彼らの様子は変だった。
「ここはどこじゃ。お前ら誰じゃ」
「婆さんこそ誰だよ」
頭を強く打ったのか記憶がないらしい。小競り合いをし始めた彼らを見て、琴禰の力んでいた力が抜ける。
「記憶を失ったにも関わらず、喧嘩し出すとは相変わらずな奴らだな」
煉魁は呆れたように言った。
「暴発の前に亡くなっていた人達も生き返るのですか?」
「それは無理だろう。死んだ者を生き返らせることは俺にだってできない」
「そう、ですか」
琴禰は残念なような、ほっとしたかのような複雑な気持ちになった。
血まみれで倒れていた桃子と澄八。恐らく殺されたのだろう。
祓魔の闇を垣間見た気がした。
「これ以上ここにいるのもなんだし、そろそろ俺達は帰ろうか」
煉魁が立ち上がる。
そして、暴風で吹き飛ばされたのか、遠くの方で横たわっていた大巫女と付き人、そして祓魔四人衆も起き上がった。
その姿を見て、琴禰は青くなって煉魁の裾を握りしめた。
こんな惨状にした原因の琴禰に彼らが何と言うのか。琴禰は怯えているようだった。
しかしながら、彼らの様子は変だった。
「ここはどこじゃ。お前ら誰じゃ」
「婆さんこそ誰だよ」
頭を強く打ったのか記憶がないらしい。小競り合いをし始めた彼らを見て、琴禰の力んでいた力が抜ける。
「記憶を失ったにも関わらず、喧嘩し出すとは相変わらずな奴らだな」
煉魁は呆れたように言った。
「暴発の前に亡くなっていた人達も生き返るのですか?」
「それは無理だろう。死んだ者を生き返らせることは俺にだってできない」
「そう、ですか」
琴禰は残念なような、ほっとしたかのような複雑な気持ちになった。
血まみれで倒れていた桃子と澄八。恐らく殺されたのだろう。
祓魔の闇を垣間見た気がした。
「これ以上ここにいるのもなんだし、そろそろ俺達は帰ろうか」
煉魁が立ち上がる。