あやかし王は溺愛する花嫁に離縁を言い渡される
さらに琴禰は、人間でありながらも強大な力を有する者として一目置かれるようになった。
あやかし国では、美しさと力の強さが何より尊ばれる。そして故郷を捨て去り、あやかし国を守ったという出来事は、あやかし達の心に深く響いた。
脆弱な人間と結婚したと落胆していた者達も、あやかし愛に満ちた絶大な力を持つ人間と結婚した見る目のあるあやかし王ともてはやすようになった。
最強無敵なあやかし王の逸話と相まって、結婚を歓迎する動きがどんどん広まっていった。
そんな時、大王から呼び出しを受けたのである。
「嫁と一緒に挨拶に来いだと?」
渡り廊下で、秋菊に呼び止められ、大王からの伝言を聞いた煉魁は眉を寄せて聞き返した。
「はい、結婚したのに挨拶に来ないとは何事だと怒っていらっしゃいます」
「内緒にしておけと言っただろうが」
「今やあかし国で二人のことを知らない人などおりませんよ! もう隠しておくことなど不可能です!」
秋菊の言葉に、それもそうかと納得して、顎に手を当てて考え込む。
「俺だけじゃ駄目か?」
「嫁と一緒に、と大王様はおっしゃっておられます」
「むむむ」
あやかし国では、美しさと力の強さが何より尊ばれる。そして故郷を捨て去り、あやかし国を守ったという出来事は、あやかし達の心に深く響いた。
脆弱な人間と結婚したと落胆していた者達も、あやかし愛に満ちた絶大な力を持つ人間と結婚した見る目のあるあやかし王ともてはやすようになった。
最強無敵なあやかし王の逸話と相まって、結婚を歓迎する動きがどんどん広まっていった。
そんな時、大王から呼び出しを受けたのである。
「嫁と一緒に挨拶に来いだと?」
渡り廊下で、秋菊に呼び止められ、大王からの伝言を聞いた煉魁は眉を寄せて聞き返した。
「はい、結婚したのに挨拶に来ないとは何事だと怒っていらっしゃいます」
「内緒にしておけと言っただろうが」
「今やあかし国で二人のことを知らない人などおりませんよ! もう隠しておくことなど不可能です!」
秋菊の言葉に、それもそうかと納得して、顎に手を当てて考え込む。
「俺だけじゃ駄目か?」
「嫁と一緒に、と大王様はおっしゃっておられます」
「むむむ」