あやかし王は溺愛する花嫁に離縁を言い渡される
結婚式から数日後、琴禰は衝撃的な事実を知る。

「茶々って、白猫だったのね」

 驚きを通り越して、いっそ感心しながら呟いた琴禰に、茶々は「ニャー」と目を細めて返事をした。

 茶色の猫だから、茶々と名付けたのに、今では綺麗な白猫なので不釣り合いな名前になってしまった。

 あやかし国に連れてきた当初は、洗っても汚れが落ちきらなかったのか、うっすら茶色が残っていた。しかし、毎日櫛で梳かしていたら汚れていた毛がなくなり、本来の白い猫に変貌を遂げた。

「どうしましょう、改名する?」

 茶々に聞いてみるも、返事すらせずに無視して毛繕いに勤しんでいる。

「困ったわ。でも、茶々も急に名前を変えられても困惑するわよね」

『茶々』と呼ぶと、『ニャー』と返事をする。とてつもなく賢い猫だと琴禰は思っているが、扶久に言わせると『返事をする猫はいますよ』と大して驚いていない様子だった。

 宮殿内を縦横無尽に我が物顔で寛ぐ猫たち。

 三匹の子猫たちも、すっかり大きくなった。

 元気でやんちゃな白茶色の虎鉄(こてつ)と、三毛猫の美々(みみ)、そして車に轢かれかけたハチワレの最中(もなか)
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