あやかし王は溺愛する花嫁に離縁を言い渡される
『琴禰の内に秘めた力は未知数なのです。もしも暴発したらこの祓魔の村が吹き飛ぶかもしれません』
『そんな馬鹿な』
客間に嘲笑が沸き起こる。澄八の言葉を信じる者はいなかった。たった一人、大巫女様を除いては。
『澄八はここにいる誰よりも力の強さを測ることができるようじゃな。皆の者、良く聞け、小娘だと思って侮ってはならんぞ。あやつは祓魔を滅亡させる厄災じゃ。だが、力の使い方をよう分かっておらん今なら倒せる。今なら……』
大巫女様の言葉に、澄八は黙って頷き腰を下ろした。皆が戸惑うように出方を窺っている。
大巫女様は真実しか言わないと分かっているが、小娘にそんな強大な力が宿っているとは信じがたいようだ。
(どうしよう、このままでは殺される!)
琴禰は改めて結界の張られた格子を見つめた。触れると火傷するほどの強力な結界が張られているが、ここを突破しないことには逃げられない。
(澄八さんは、私が本気を出せば逃げ出すことができると言っていたわ。どうすれば力を放出できるのかわからないけれど、やるしかない)
『そんな馬鹿な』
客間に嘲笑が沸き起こる。澄八の言葉を信じる者はいなかった。たった一人、大巫女様を除いては。
『澄八はここにいる誰よりも力の強さを測ることができるようじゃな。皆の者、良く聞け、小娘だと思って侮ってはならんぞ。あやつは祓魔を滅亡させる厄災じゃ。だが、力の使い方をよう分かっておらん今なら倒せる。今なら……』
大巫女様の言葉に、澄八は黙って頷き腰を下ろした。皆が戸惑うように出方を窺っている。
大巫女様は真実しか言わないと分かっているが、小娘にそんな強大な力が宿っているとは信じがたいようだ。
(どうしよう、このままでは殺される!)
琴禰は改めて結界の張られた格子を見つめた。触れると火傷するほどの強力な結界が張られているが、ここを突破しないことには逃げられない。
(澄八さんは、私が本気を出せば逃げ出すことができると言っていたわ。どうすれば力を放出できるのかわからないけれど、やるしかない)