あやかし王は溺愛する花嫁に離縁を言い渡される
(あやかしの国は、とても綺麗なのね)
もっとおどろおどろしい不気味な世界を想像していたので驚くばかりだ。
「持ってきたぞ」
襖がひとりでに開くと、御膳を手に持つ、あやかし王が入ってきた。
出て行ってから数分も経っていない。あまりの早さに驚いた。
あやかし王は、御膳を小卓に置くと、熱々の粥を匙で掬うと、フーフーと息を吹きかけた。
「ほれ」
ちょうど良い熱さになった粥を琴禰の口元に寄せる。
「え、いや、自分で食べられます」
「いいから、食え!」
強引に押しつけられ、琴禰はやむを得ず口を開いた。
あやかし王は優しく丁寧に匙を口に入れた。
ほんのりとした塩気に、お米の甘さが引き立っている。
「美味しい」
思わず頬を緩ませると、あやかし王は目を細めて微笑んだ。
あやかし王は甲斐甲斐しく世話をする。それが、心の底から楽しそうにやっているので、琴禰もついつい甘えてしまう。
半分ほど食べ終えたところで、あやかし王はずっと聞きたかったことを口にした。
もっとおどろおどろしい不気味な世界を想像していたので驚くばかりだ。
「持ってきたぞ」
襖がひとりでに開くと、御膳を手に持つ、あやかし王が入ってきた。
出て行ってから数分も経っていない。あまりの早さに驚いた。
あやかし王は、御膳を小卓に置くと、熱々の粥を匙で掬うと、フーフーと息を吹きかけた。
「ほれ」
ちょうど良い熱さになった粥を琴禰の口元に寄せる。
「え、いや、自分で食べられます」
「いいから、食え!」
強引に押しつけられ、琴禰はやむを得ず口を開いた。
あやかし王は優しく丁寧に匙を口に入れた。
ほんのりとした塩気に、お米の甘さが引き立っている。
「美味しい」
思わず頬を緩ませると、あやかし王は目を細めて微笑んだ。
あやかし王は甲斐甲斐しく世話をする。それが、心の底から楽しそうにやっているので、琴禰もついつい甘えてしまう。
半分ほど食べ終えたところで、あやかし王はずっと聞きたかったことを口にした。