あやかし王は溺愛する花嫁に離縁を言い渡される
澄八は、出自は名家でもなんでもない祓魔の中でも庶民の出だが、その類まれな力によって、名家である御子柴家の養子となった。
純潔な出ではないので、名家である灰神楽の桃子と結婚することは澄八にとっても利があることなのだ。
(私にも、ほんの少しでも力があれば……)
ため息を吐いて、ずっしりと重くなった心を吐き出そうとするが上手くはいかなかった。
暗い気持ちを振り払うように掃除に集中する。
「琴禰! いつまでそこで掃除をしているつもりだ。今日は裏山で隠れていろと言っただろうが。それとも折檻部屋に閉じ込められたいのか!」
屋敷の中から父親と母親が玄関先に現われた。
琴禰が外で掃除をしていることを桃子か澄八に聞いたのだろう。父親の顔は赤くなってカンカンに怒っていた。
「すみません、すみません。折檻部屋は嫌です。すぐに裏山に引っ込みます」
純潔な出ではないので、名家である灰神楽の桃子と結婚することは澄八にとっても利があることなのだ。
(私にも、ほんの少しでも力があれば……)
ため息を吐いて、ずっしりと重くなった心を吐き出そうとするが上手くはいかなかった。
暗い気持ちを振り払うように掃除に集中する。
「琴禰! いつまでそこで掃除をしているつもりだ。今日は裏山で隠れていろと言っただろうが。それとも折檻部屋に閉じ込められたいのか!」
屋敷の中から父親と母親が玄関先に現われた。
琴禰が外で掃除をしていることを桃子か澄八に聞いたのだろう。父親の顔は赤くなってカンカンに怒っていた。
「すみません、すみません。折檻部屋は嫌です。すぐに裏山に引っ込みます」