あやかし王は溺愛する花嫁に離縁を言い渡される
煉魁の首にしっかりと掴まった琴禰は、初めて空を飛んだ。
一足飛びで空を駆け抜けた煉魁は、薄紅梅色に輝く雲海の上に着地した。
「ここは?」
白い雲の上に、満開の桜が咲き誇る圧巻の光景だった。
「あやかしの国では年中桜が咲いている」
煉魁は腰に手を当てて、数多に咲き誇る桜を見上げながら言った。
「そうなのですね。とても綺麗です」
美しいものが、美しいままに、永遠に生き続けるあやかしの国。
(こんなに綺麗な場所だったなんて……)
祓魔一族の話では、あやかしの国は地獄のようにおどろおどろしい場所だと聞いていた。
地獄どころか、まるで天国のように平和で美しい場所だった。
何が真実なのか、だんだん分からなくなってくる。
「気に入ったか?」
「はい、とても」
煉魁は満足気に笑みを浮かばせた。
そして、愛おしむような優しい目で、風に吹かれて琴禰の顔にかかったひと房の髪の毛を、指先で耳にかける。
「二人だけで結婚式を挙げよう」
一足飛びで空を駆け抜けた煉魁は、薄紅梅色に輝く雲海の上に着地した。
「ここは?」
白い雲の上に、満開の桜が咲き誇る圧巻の光景だった。
「あやかしの国では年中桜が咲いている」
煉魁は腰に手を当てて、数多に咲き誇る桜を見上げながら言った。
「そうなのですね。とても綺麗です」
美しいものが、美しいままに、永遠に生き続けるあやかしの国。
(こんなに綺麗な場所だったなんて……)
祓魔一族の話では、あやかしの国は地獄のようにおどろおどろしい場所だと聞いていた。
地獄どころか、まるで天国のように平和で美しい場所だった。
何が真実なのか、だんだん分からなくなってくる。
「気に入ったか?」
「はい、とても」
煉魁は満足気に笑みを浮かばせた。
そして、愛おしむような優しい目で、風に吹かれて琴禰の顔にかかったひと房の髪の毛を、指先で耳にかける。
「二人だけで結婚式を挙げよう」