あやかし王は溺愛する花嫁に離縁を言い渡される
「琴禰……」

 戸惑うように瞳を泳がせる煉魁に対して、琴禰は意を決し、固く閉じていた手をよけた。

 すると、浴衣がはだけ、琴禰の白く柔らかな体が露わとなる。

「私を煉魁様のものにしてください」

 精一杯の勇気を振り絞って言った。恥ずかしくて、死んでしまいそうだ。

「もう抑えられないからな」

 煉魁は琴禰の唇を乱暴に塞いだ。

 ずっと我慢してきたものを解放させるように、荒々しく琴禰を求める。

 無我夢中で求める煉魁の熱が伝染し、琴禰の体も熱くなっていく。

 いつしか煉魁のことしか考えられなくなり、何度も名前を呼んでは体にしがみつく。

 時間が蕩けるように過ぎていき、あやかしの夜は更けていった。
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