あやかし王は溺愛する花嫁に離縁を言い渡される
動けない時ならまだしも、できるのにやらないというのは心苦しい。
それに、眼鏡なしでもよく見えるようになったし、鈍くさかった体も機敏に動けるようになっていた。
楽しくて、ついつい張り切ってしまう。
「はいはい、掃除はそこまでにして、食事と身支度をしてくださいね」
がむしゃらに掃除をする琴禰を遠巻きにビクビクしながら見ている煉魁付きの侍女たちに対し、扶久は琴禰に容赦がなかった。
「でも、まだあちらの部分が……」
「別に好きで掃除するのは構いませんが、食事も取らず、そんな召使いみたいな恰好をしていたら、私達が、あやかし王に怒られます」
「そうよね、すみません」
名家の令嬢として生まれた琴禰だったが、下女以下の扱いを受けてきたので、下働きする者たちの気苦労は知っている。
琴禰は大人しく豪華な御膳を食べ、髪も丁寧に結ってもらい、上質な着物に着替えた。
それでも一段落すると、また掃除を始めたので、扶久は琴禰の好きにさせていた。
(変な女……)
それに、眼鏡なしでもよく見えるようになったし、鈍くさかった体も機敏に動けるようになっていた。
楽しくて、ついつい張り切ってしまう。
「はいはい、掃除はそこまでにして、食事と身支度をしてくださいね」
がむしゃらに掃除をする琴禰を遠巻きにビクビクしながら見ている煉魁付きの侍女たちに対し、扶久は琴禰に容赦がなかった。
「でも、まだあちらの部分が……」
「別に好きで掃除するのは構いませんが、食事も取らず、そんな召使いみたいな恰好をしていたら、私達が、あやかし王に怒られます」
「そうよね、すみません」
名家の令嬢として生まれた琴禰だったが、下女以下の扱いを受けてきたので、下働きする者たちの気苦労は知っている。
琴禰は大人しく豪華な御膳を食べ、髪も丁寧に結ってもらい、上質な着物に着替えた。
それでも一段落すると、また掃除を始めたので、扶久は琴禰の好きにさせていた。
(変な女……)