❤️お前に惚れた~極道の一途すぎる愛
「そうだったんですね、力也さんの睡眠を邪魔したんじゃないかと心配しました」

「ひとみはいつも、誰かの心配ばかりしてるんだな」

ひとみは恥ずかしくなって俯いた。

「ひとみはコーヒー、それとも紅茶?」

「紅茶を頂きたいです」

「今、用意するから、顔洗っておいで」
ウォッシャールームの鏡を覗くと、ひとみは自分のひどい顔に驚いた。

(なんて顔してるんだろう、力也さんに嫌われちゃう)

(あっ、もう、私、力也さんと関係なくなるんだ)

ひとみは溢れる涙を堪えることが出来なかった。

力也はひとみを呼びにウォッシャールームのドアに近づくと、ひとみのすすり泣く声が聞こえた。

(ひとみ、そんなに山城のことを愛していたのか)

この時、力也はひとみの本当の気持ちに気づくことが出来なかった。

力也はひとみに声をかけた。

「ひとみ、紅茶が冷めるぞ、早く、出てこい」

「あっ、はい」

ひとみは慌ててキッチンに向かった。

泣いた後がありありと伺えた。
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