❤️お前に惚れた~極道の一途すぎる愛
結城に連絡しようとした瞬間、戸部は手に守っていたナイフを振りかざし

ひとみめがけて、走り出した。

戸部の手にナイフが光った。

ひとみは「きゃあ」と叫び恐怖のあまり動けなかった。

「てめえ、ぶっ殺してやる」

戸部が叫んだ。

その時、山城はひとみの身体を庇った。

山城の脇腹にナイフが突き刺さり、ひとみの様子を見にきた結城が騒ぎに気づき、

戸部を押さえつけた。

山城の身体からドクドクとおびただしい血が流れた。

ひとみは唖然とした。

(山城さんがなぜ私を助けてくれたの?)

ひとみは山城の脇腹を押さえた。

ドクドクと流れ出す血は止まらない。

「くるみ、俺のことはいいから、マンションに戻れ」

山城は息も絶え絶えになっていた。

「ダメよ、死んじゃダメ」

ひとみは自分のスカートを裂いて、山城の脇腹に当てた。

「どうしよう、血が止まらない」

山城はひとみの手を押さえて、囁いた。

「もう、いいから、最後にキスしてくれ」

ひとみは躊躇したが、山城にキスをした。

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