❤️お前に惚れた~極道の一途すぎる愛
「どうしてだよ、金は俺が用立てるって言ってるだろう」

「私、我妻さんの女にもなりませんから」

「俺はひとみと結婚したいんだ、お前を囲うつもりはない」

ひとみは思った。

(我妻さんの言葉が本心なら、どんなに嬉しいだろう、でも、私はあなたの言葉は信じられない)

「私はあなたとは結婚もしません」

「俺に素直に甘えればいいだろう、俺は……」

ひとみはこのままでは、我妻を頼って流されてしまうと思い、運転手に向かって叫んだ。

「すみません、停めてください」

テツは道の端に車を寄せて停車した。

ひとみはドアを開けて、外に飛び出した。

「待ってくれ、話は終わってねえ」

ひとみは商店街の中を走り抜けた。

「ひとみ」

我妻の声はひとみには届かなかった。

「くそっ、なんでだよ」

我妻はテツにひとみの調査を依頼した。

「テツ、ひとみの過去と多分借金があるんだろうから、詳細も調べてくれ」

「承知しやした」

次の日、キャバクラに山城がやってきた。

「いらっしゃいませ」

< 20 / 146 >

この作品をシェア

pagetop