❤️お前に惚れた~極道の一途すぎる愛
結城は一礼して、車は闇の街へ消えた。

「若頭、無事で本当に良かったです、ひとみさんに感謝ですね」

この時、結城は山城の行動に違和感を覚えた。

(血も涙もない山城が、まさか若頭を生きたまま返してくれるなんて)

くるみは帰る支度を始めた。

そこへ山城がやってきた。

「くるみ、一緒に帰ろう」

くるみは黙ったまま、何も答えなかった。

その様子に、山城はくるみが怒っているのだと感じた。

「くるみ、何をそんなに怒っているんだ」

「あんなに殴らなくても、あの方はお客様です、意識なかったんですよ」

「あいつは、うちと敵対する我妻組の若頭だ、そいつがお前を連れて行こうとしたんだ、命があっただけでも感謝してほしいくらいだ」
「私は山城さんに意見を言える立場ではありまでんが、極道の世界のことは理解出来ません、人を傷つけることはやってはいけないと思います」
そして、荷物を持って、部屋を出ようとした。

「くるみ、待て、一緒に出よう」

「ごめんなさい、今日はホテルに泊まります」

< 31 / 146 >

この作品をシェア

pagetop