❤️お前に惚れた~極道の一途すぎる愛
くるみは山城に背を向けた。

「くるみ」

山城の呼びかけた声も届かず、無情にもドアはパタンと閉じた。

(くるみは一度も我妻の名前を口にしなかったな、俺への配慮か、あいつへの決別の現れか)

その頃、我妻組では大変な騒ぎだった。

「若頭、山城組管轄のキャバクラに一人で乗り込んで、ボロボロになって帰ってきたぞ、でもよく山城組が若頭を命がある状態で返してくれたな」

我妻組組員は口々に言っていた、信じられないと……

我妻は三日三晩眠り続けた。

山城は今までの自分では、信じられない行動を起こしていた。

くるみの泊まっているホテルに向かっていた。

部屋をノックすると、くるみの返事が返ってきた。

「はい」

「俺だ、山城だ、くるみ、開けてくれないか、話したい」

山城はドアに向かって叫んだ。

くるみの返事はない。

「くるみ、お前をこの手に抱きしめたい、お前が我妻を手当するために、部屋に二人きりになったときの俺の気持ちがわかるか」

「いや、そうじゃなくて、えっと……」

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