❤️お前に惚れた~極道の一途すぎる愛
(やばい、我妻、早く来い)

そこへ、我妻組がシャッターをぶち破り、入ってきた。
「我妻組がこの女をもらい受ける」

結城が叫んだ。
その声に山城はほっと胸を撫で下ろした。

(遅えよ、ひやっとさせやがるぜ)

くるみは結城の方を見た。

結城の後に現れたのは我妻だった。

くるみは我妻の姿に愕然とした。

我妻は車椅子に乗っていた。

「そんな勝手なこと許さないわ」

そう叫んで前に一歩踏み出したのは圭子だった。

その時、山城が圭子の肩を抱いて、自分の背中に回した。

「裕太郎?」

「圭子、危ないから俺の後ろに隠れていろ」

圭子は言われたとおり、山城の背中に抱きついた。

そして、山城はくるみをじっと見つめた。

「俺はこの女のせいで、半年も監禁させられた、半年だぞ、人間の精神が壊れるのに十分な年月だ、でも、俺は気づいた、あのクソ親父の言いなりにはならないと……
俺はお前を愛してはいない、圭子まで勘違いしやがって」

「でも、あのメモは」

< 64 / 146 >

この作品をシェア

pagetop