❤️お前に惚れた~極道の一途すぎる愛
第ニ章 若頭我妻とキャバ嬢くるみ
息を切らして入ってきた私に声をかけたのは、このキャバクラのママだった。

着物姿の日本人離れしたスタイルに、ちょっと冷たい表情がマッチした美人ママさんだ。

でも、面倒見の良い頼れるママさんだ。

「安心して、ここは我妻組管轄のキャバクラよ、若頭の力也さんはとても素敵な男性なの、ガンガン働いて、さっさと借金返しちゃいなさい」

でも、一度もキャバクラに来たことがなくて、私は顔を知らなかった。

(婚活パーティーで私にキスした、我妻コーポレーション社長、我妻力也さんとは
別人なのかな)

この日、私は驚きを隠せない事態に遭遇した。
「くるみちゃん、我妻力也さんがいらっしゃったわ、紹介しておくわね」

席に案内されて、目の前に座っていたのは、別れ際、私にキスをした我妻力也さんだった。

(うそ)

私は狼狽えた。

ドレスの裾を踏んづけて、バランスを崩し、我妻さんの胸に倒れ込んだ。

「おっと、大丈夫か」

私を咄嗟に支えてくれて、顔を覗き込まれた。

「ごめんなさい」

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