前世へのレジスタンス
「後で少し2人で話させてほしい。」
「あぁ…、はい」

イライラしつつ、私は机に伏せながら適当に返事をした。

「金井くん、黒崎さんと知り合いなの?」

甲高い女子の声がする。
耳障りだ。

「あぁ、うん。」

何か隠したような言い方で彼は答えた。
その言い方が気に触ったのだろう。
女子生徒が私を睨みつける様子が目に浮かぶ。
というか見なくてもわかる。


「そんな顔をしてたら可愛い顔が台無しだよ」


金井ヒロトがそう言うと、女子生徒は洗脳されるかのように静まり、チラッと当たりを見渡すとほわほわした表情になっている。
なんて単純なんだろう。


午前放課で新学期初日は終了した。
チャイムと同時に伏せたままだった顔を上げる。

「帰ろう、カナ」
「あぁ、眠っ…うん」

私の机の隣にセイがやってくる。
ゆっくりとしゃがんで大体私と同じ目線の高さになった。
セイは学校ではかなり素行の悪いタイプだ。
セイの生い立ちなんて私は断片的にしか知らないけど、多少グレてしまうのも分かる。
現に私もそうだから。

だけど私に接して来る時は優しい。


「カナちゃん」

教室を出ようと腰を上げた時、目の前の席の人と目が合った。声をかけられた。
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