前世へのレジスタンス
「なんだよ。カナに用かよ?」
セイはキツめの口調で金井ヒロトにそう言った。
金井ヒロトはそれに全く動じていない。
「少し2人にさせてもらっても良いかな?」
セイと私は自然と目が合った。
私が頷くと、分かったように私の肩をポンッと叩いた。
「校門とこで待ってる」
「うん」
対して中身の入っていないカバンを軽々背負うとセイは教室を出ていった。
金井ヒロト目当てのミーハー達も流石に下校時間となれば足早に教室を出ていった。
教室には私と、2人だけだ。
やっぱりグローバル、日本だけにとどまらないスターの風格を感じる。
彼の周りだけを何かオーラが囲っているみたい。
春の木漏れ日に照らされている横顔があまりにも綺麗すぎた。
朝の時もそうだけれど、やっぱりこの人は私とは全く違うのだなと思い知らされる。
そんな人が今目の前にいるということも不思議な感覚だった。
「単刀直入に言うね」
「はい。」
私たちは自分の席に着いたまま向かい合わせになる。
正確には金井ヒロトが私の方を向いてくれた。
必死に目を合わせようとするけど、何故か目が合わせられなかった。
一呼吸着くと、ありえないことを私に言ってきた。