前世へのレジスタンス
「進路希望の提出を来週までにお願いします。これを元に親御さんと三者面談を行います。」
GWが終わった頃、現実と向き合う1枚の紙が渡された。
”進路希望調査”
1年生の時から書かされてはいたが、しっかり考えたことは無かった。
今を生きるのに必死で、とりあえず明日生きて行ければマシ、くらいにまで思っていたから。
「カナちゃんは決まってるの?」
「えっ」
金井くんは後ろを振り返り、少し小さな声で私に話しかけてきた。
そして早々と記入したのか、私にその紙を見せてきた。
「ん?」
教室が少しガヤガヤしていて良かったと思った。
私の少しの戸惑いの声と、その私の反応を見て小さな声で笑った金井くんの声が教室中に聞こえなくてすんだから。
「”カナちゃんの未来を救うヒーロー”!」
「私がまだあれを信じてると思ってるの?」
「信じてほしいとかは思ってないし、信じられるとも思ってないよ」
もしあれが本当なら…
本当なわけ絶対無いけど、もしも…なんて考えて周りの誰にも話していなかった。
そんなことより、
「早く消しなよ。…ちゃんと書きなよ。」
私は全く書く気もないのに、自分の進路を考えるフリをして下を向いた。
GWが終わった頃、現実と向き合う1枚の紙が渡された。
”進路希望調査”
1年生の時から書かされてはいたが、しっかり考えたことは無かった。
今を生きるのに必死で、とりあえず明日生きて行ければマシ、くらいにまで思っていたから。
「カナちゃんは決まってるの?」
「えっ」
金井くんは後ろを振り返り、少し小さな声で私に話しかけてきた。
そして早々と記入したのか、私にその紙を見せてきた。
「ん?」
教室が少しガヤガヤしていて良かったと思った。
私の少しの戸惑いの声と、その私の反応を見て小さな声で笑った金井くんの声が教室中に聞こえなくてすんだから。
「”カナちゃんの未来を救うヒーロー”!」
「私がまだあれを信じてると思ってるの?」
「信じてほしいとかは思ってないし、信じられるとも思ってないよ」
もしあれが本当なら…
本当なわけ絶対無いけど、もしも…なんて考えて周りの誰にも話していなかった。
そんなことより、
「早く消しなよ。…ちゃんと書きなよ。」
私は全く書く気もないのに、自分の進路を考えるフリをして下を向いた。