前世へのレジスタンス
「あのさ、」
「ん?どうした桃井。」

私はバイトまでの時間、そして金井くんはレッスンの前まで、暇つぶしでいつもの4人で浜辺に座りながら談笑していた。
「そういえば、変装とかしなくてバレないのか?」とセイが金井くんに聞いていたけど、本人曰く「友達といればバレない」と言っていた。
つまり誰かといればファンに声をかけられることは無いらしい。
今の時代、ファンよりも週刊誌の記者のほうが恐ろしい感じもするけど。
まぁ裏では色々手が回っているんだろうなぁと、何かを悟るかのように私は頭の中で考えていた。


「カナちゃんと、ヒロトくんはお休みの時はありますか?」

エリナちゃんからの急な提案だった。
4人で遊びに行きたいとのことだった。
このお嬢様、意外と恋愛には積極的だ。
このことを話す前に『もっと仲良くなりたい、青沢くんと』と私に話をもちかけてきたのだった。


「私は放課後たまにあいてるよ。」
「僕も土日よりは放課後の仕事ない日かな」
「あ、俺は暇。」
「セイはいつでも暇だよ。」
「はいはい、そうですよー」

そしてたまたまみんなの予定が合い、次の週に遊ぶことになった。


「嬉しいの?」
「えっ」
「え!そうなの!?カナちゃん!」
「カナ友達いねぇからなぁー」
「そんな、顔見るなよ…」
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