前世へのレジスタンス
教室で待ってくれていた2人の元へ急いで戻った。
こんな格好を見られるなんて、少し照れくさかった。

「お待たせしました!行こう!」
「…え!?カナ!?」
「おぉー」

私たちの方を見て、セイは驚いた顔を、金井くんはニコッと笑いながら右手でグーポーズをした。
私の右肩にポンっとエリナちゃんの両手が添えられた。
私は右側を少し向くと、エリナちゃんは『かわいいよー』と言いながら満面の笑みを浮かべていた。

「可愛いじゃん。お2人さん!」
「よーし。行こうぜ!」

2人も席から立ち上がり、駅前の街へと向かう。

「あの二人、はしゃぎすぎでしょ。」
「確かにー」

セイがいきなり「競走!」とか言い出して1人で走っていったのを、エリナちゃんが必死に追いかけていた。


エリナちゃんのあの表情は、いつかの恋愛漫画やドラマで見たような、恋する乙女の表情だ。
なんだか微笑ましい。
セイの恋愛話なんて聞いたこと無かったし、まぁ顔は良いからモテてはいたのか、そんなこと私は1ミリも興味なかったけど。
これが親心みたいなものなのかな…


「っ!」
「いや、綺麗な髪だなって…」


私の髪に、金井くんの手がそっと触れていた。
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