前世へのレジスタンス
「きゃー!」
「…」

ゲーセン。
数回セイと遊びに来たことがある。
でもゾンビゲームをやったのは始めて。
割と操作が難しい。みんなはこれをやっているのか…

私は手に持った武器を必死に画面上のゾンビに向かって狙いを定める。

「え、うま」
「カナちゃん得意なんだー」

「いや、始めて。」

「やべぇ、この店のハイスコアたたき出したぞ…」
「カナちゃんっ…怖いーゾンビ~」
「すごいねー」


どうやらこのゲームは射的みたいで楽しかった。
エリナちゃんは恐怖から泣いていて、セイはぽかーんとした顔をして、金井くんは相変わらず爽やかなスタイルを崩さない。
三者三様、といった感じ。

次に男子2人がやっていたけど、私の点数を超えることは出来なかった。
2人ともガチすぎて終始無言。

『本気すぎるだろ…おいっ』

本当にこうしてみると、普通のその辺にいる高校生と何も変わらないんだよな…
普通にゲーセンを楽しむ、アイドルか。


「よぉし、次何する?」
「…」
「カナ、もしかしてー」


私はゲーセンの中をキョロキョロ見わたした。



『カナなんかやりたいのねぇの?』
『無い、別に。』
『女子はよくあれ、撮るじゃん』
指さす方向。
プリクラだ。
『撮る必要ないでしょ。』
『え、おーい』

その場をそのまま立ち去った。


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