前世へのレジスタンス
いつか、そんな会話をセイとしたっけ。

「…よしっ、1人100円」
「え、」

半ば強引に3人に連れていかれ、写真を撮るブースに入る。
プリクラ機の中って、少し狭い。
女子2人が前に、男子2人が後ろに立ち、ポーズを指定する合図とともにカウントダウンが始まる。

撮影が終わると、手馴れたようにエリナちゃんと金井くんが作業してた。
なんか目を大きくしたり、肌を白くしたり…

「男の子がこういうの知ってるの、なんか不思議です」
「あぁ、前ね、雑誌の企画でメンバーと撮ったんだよ」

私とセイは2人が作業するのを終わるのをブースの外で待っていた。
こういうのは慣れている人に任せた方がすんなり行く。


「今日、楽しそうでよかった」
「…そう見えてるなら良かった」

小さなミニソファーみたいなものがプリクラ機の近くにあって、そこに2人で座っていた。


「あ、のさ…」
「ん?」

「高校生、ぽい…?私」

私はセイに聞いてみた。
すると、セイは吹き出したように笑った。
そこに金井くんとエリナちゃんが戻ってきて、私はなんか変なこと言ったかな?と少しどぎまぎした。


「そんなに笑って、青沢くん?どうしたの?」
「青沢、腹筋崩壊するんじゃ…」

「だ、だって…あはは」

そんなに笑うことなの!?

< 34 / 107 >

この作品をシェア

pagetop