前世へのレジスタンス
少し大きめの音で目の前の大きなモニターにはCMが流れている。
モニターのピッ、ピッ、という音が響く。
外に音は…漏れないのかな。
私はまたメロンソーダを口に含んだ。

モニターの画面が切り替わり、曲名と歌手の名前が表示された。


(金井くんが最初に歌うんだ…)

私の右隣に座っていた金井くんがマイクを持ってその場に立った。

(この人、本気なの…)


私が流石アーティスト、と感心していると、目の前にマイクが1つ現れた。


「この曲なら、知ってる？」


流れてきた音楽は、少し懐かしい歌謡曲で多分若い人は知らない曲。
セイとエリナちゃんは恐らく知らない曲で、ゆっくりな曲調もあり、手拍子をなんとなくしている。
私の目の前には金井くんの手が差し出され、あ、これは私も立って一緒に歌えってことなんだなと察知した。

というか、私が知ってる曲をなんで金井くんは知っているのか。


「～♪」
「～♪」

人前で歌うなんて音楽の時間や合唱コン以外は無いから、私はなんとなく控えめな声で歌った。
その横では、たまにチラッと私を見ながら綺麗な歌声を響かせていた。

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