前世へのレジスタンス
何。
「っ………ごめん。…じゃ。」
…何。
私はそのまま膝から崩れ落ちるように、地面に着いていた。
体からずっと力が抜けるような。
一瞬だったけど。
「せ、…」
「…」
セイを追いかけたかったけど、私は手も足も動かなかった。
だって…
私は自分の唇にそっと手で触れた。
嘘…じゃない……
「セイ…」
セイに、キス…された。
どのくらい地面に座っていたか分からない。
頭が回らないまま、ゆっくりと起き上がった。
1人になった私はとりあえず家へと向かった。
セイは私のこと…
いや、待って。
その前に、エリナちゃんがセイを好きだよね…
私、なんで拒めなかったんだよ…
友達の好きな人なのに…
セイが私に向ける気持ちと、エリナちゃんが好意を抱いている事実、
そして、私の…
色々考えているとあっという間に家に着いた。
その夜は一睡も出来なかった。
日の光が窓から差し込む。
朝だ。
憂鬱な気持ちなのに、なんでこんなに空は晴れているんだろう。
重い体を動かし、学校の支度を始めた。