前世へのレジスタンス
いつもより早く学校に着いてしまった。
こんな時間に来ることなんてないのに。

下駄箱にローファーを入れ、いつもより静かで少し涼しい廊下を歩く。
なんだか今は誰にも会いたくない。
セイにどんな顔で会えば良いんだろう。
エリナちゃんの顔をしっかり見て、話せるかな。
金井くん……


ゆっくりと教室のドアを開けた。
誰もいないのを確認する。
私は自分の席に座ろうと、教室の中に入る。


「カナちゃん?」


振り向けない。

声で分かった。


「ほら、中入らないの?」


優しい声。

…もう自分の感情を抑えられそうにない。



「ほら、…っ!!」
「ごめん、なさい……」


私は無意識のうちに金井くんを抱きしめていた。
一方的に私からしたのに、金井くんの腕が私の背中に回る。


「怖い…死にたくない……」
「うん……」


もう何が何だか分からない。
あなたが、どこか別の世界の私のことを想っていたとしても…



「好きです。」





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